3月になっても朝は冷えます、これでも平年並みとか。暖かい冬の食べ物が懐かしくもあります。
そうだ「おでんだ」。この冬写した写真を見ると、「千代」のおでんがありました。入口にはいいってすぐの場所、総菜の陳列ケース脇に大きな「ふね」(四角で仕切りのある鍋)が鎮座し、底が見えないほど黒褐色の出汁で具材が煮込まれています。
ひと昔前までは、ちょっとした飲食店で冬季よく見かけたものです。それが「千代」に残っていました。
スジ肉160円、それ以外120円。注文した料理ができるまでの時間つまむのにちょうどよい、夕刻一杯やるときはもちろん酒の友。
出汁色のイメージほど味は濃くなく、穏やかでまっとうな味。定食のおともにちょうど良いです。
さて…今となっては懐かしの味になった「安浦おでん」のことを、思い出しました。
あの豪雨災害で惜しくも閉店となった駅前の「だるま食堂」。中華そばがおいしい店でしたが、サイドメニューの巨大ないなり寿司と夏は焼鳥(タマネギが挟まり冷たいままで出た)冬はおでんも名物。
ストーブの上の大鍋で煮込まれたおでんは、黒く濃い味何より甘い。極甘と言って良いほど(写真は、2016.7.6と2017.12.18の記事から)。女将さんから聞いたところ、戦後安浦には女学校が移ってきて、そこの学生がおでんを食べに来て、「もっと甘くして」というリクエストに応えていたらこうなったとのこと。
安浦町史などによると、海軍の「安浦海兵団」があった場所の一部に、原爆で破壊された「広島女子高等師範学校」が移転し1946年~1950年まで存在しました。安浦校が火災で焼失すると同校は福山に移り、現在「広島大学付属福山中高校」へと変遷します。たぶん、女将さんの先代のお話でしょうが、甘くて黒い安浦おでんには、そんな歴史が垣間見えるのです。
豪雨災害まであった古い食堂の黒く甘いおでんの話。個人的な思い出を掲載してしまいました。お許しください。