「スロベニア」という国で生産される、スゴイ「塩」の話をします。イタリア半島東側とヨーロッパ大陸に挟まれた海域は「アドリア海」です。

日本では地中海と一括りされますが、広い海域はいくつかのパーツに分かれているのです。

イタリア対岸のほとんどは、世界的観光地が数珠つなぎの「クロアチア」領域ですが、
ただ、わずか約45キロの海岸線がスロベニ領で、そこにある「ピラン」という町でつくられる天日塩がスゴイ!
1200年続く伝統製法、何年もかけて製塩床をつくり、その上にミネラル分豊富なアドリア海の海水を引き込み、天日と風だけで生成し塩の結晶を取り出します。窯で煮詰めることはしない。
そうして生み出された「ピランソルト(ピランの塩)」、伝統製法はユネスコ世界無形文化遺産認定へのリストに入り、スロベニア無形文化遺産に登録された伝統的製法。
今回紹介するのはレギュラー塩、最高級で名の通った「幻の塩の花」ではありませんが、それでも白くしっかりした結晶は、サラダにかけてもなかなか溶けません。
少量でも塩味が強い、それでいて尖った辛さは無い。塩が『おいしい』と感じる、これが『塩味』なんだと意識させてくれます。
気候が似ていると言われる瀬戸内海、こんな塩ができるといいなあと思ったのでした。