被爆・終戦80年のメモリアルイヤー、広島市の社会教育施設で実施されている企画。広島市現代美術館『現美(げんび)』では、
「被爆80周年記念 記憶と物 ―モニュメント・ミュージアム・アーカイブ―」
が、6月21日(土) — 9月15日(月・休)で実施されています。
美術館のある比治山は広島市内中心部にある小高い丘で、戦前から広島市民憩いの場。加藤友三郎氏は広島市で生まれ、県出身で初めて総理大臣になった人物で、幕末に藩校「修道館」で学び、日露戦争時日本海海戦では参謀、呉鎮守府指令長官などを務め首相に、ワシントン軍縮会議で日本の軍縮をすすめた指導者。台座と合わせ、堂々とした銅像が比治山に造られました。
製作者は上田直次、川尻町出身の彫刻家。当時、各地に銅像を造っていました。しかし、戦前の金属回収令により銅像は供出され、台座だけが残り現在に至っています。展覧会では、台座だけがなぜ残されたのかをキーに、上田直次氏を紹介する内容になっているようです。
出身地川尻町のまちづくりセンターには、上田直次氏の代表作「山羊」のブロンズ像が飾られ、2階のまちづくりセンター受付前には、小品ながらオリジナルの木造が展示されています。ただ、現在は比治山の『現美』へ出張中。安浦にも多くの作品が残されているようですが、いつでも見ることのできるのは、神山神社の亀田多吉像。
このブログで何度か紹介してように(特に2025年4月3日・「銅像は残った」をご覧ください)、戦時中の金属供出を免れた、上田直次野外作品では唯一のもの。
どのような展示がされているのか、安浦や川尻からも注目の、広島市現代美術館の特別展です。