安浦町日之浦の「カワツルモ」は、海沿いを走る県道脇に流れている水路で確認できます。
このブログでも何度もお伝えしていますが、少量の塩水が混じる環境で育つ水生植物で、広島県では絶滅危惧Ⅰ類に指定され、県内で唯一生育が確認されている場所です。
実は日之浦で別の生育場所があったのですが、環境の変化で絶滅し、もう県内では見られないとされていました。
それが11年ほど前にこの水路で生育が確認され、豪雨災害にも耐え、今に続いています。
2016年呉で行われた研究発表会では、広島工業大学の岡准教授が「広島県では唯一の生育地であり、瀬戸内海でも珍しい」と解説されていました。最近はイノシシ除けの柵が設置されたので、水田脇を流れる水路は斜面上の道路から確認するしかありませんが、水中を豊かな緑で覆っています。
最近似た例がありました。場所は大阪市内、間もなく閉幕する大阪万博会場。
埋立地「夢洲」が会場に決まっていた2021年、大阪ではすでに絶滅と報告されていたカワツルモが、大阪市立自然史博物館の調査で発見されたのです。
《2025年万博会場・夢洲において大阪府で「絶滅」とされた水草「カワツルモ」を再発見》(QRコードを付けました)
(開会中の今、カワツルモがどうなっているのかは、WEBで確認できませんでした)。
日之浦のカワツルモは安浦駅前水路のリュウノヒゲモとあわせ、県内では安浦だけでしか見られない、希少な水生植物なのです。